檜風呂の水漏れはなぜ発生するのか?その対策とは?

檜風呂の水漏れはなぜ発生するのか?結論から申し上げますと、木が乾燥しすぎて、木が縮み、引き裂かれて割れてしまうからです。(ただし近年の檜風呂に限る。)近年の檜風呂は、昭和初期とは違い、強力な接着材を併用して組み立てている為、乾燥で隙間が空くことはほとんどありません。もちろん各メーカーによって使用している接着剤や組み立て方法、木材の目の使い方、丸太の製材方法が異なりますのでその強度と品質は異なります。

 昭和初期の檜風呂は接着材を使用しない製造方法で作られていました。昔ながらの作りの檜風呂は乾燥で簡単に隙間が空き水漏れしてしまいます。しかし水を張ると木が膨張し元に戻ります。昔の檜風呂は隙間があいても水を貯めれば元に戻るとうい原理で利用するのが常識でした。そのためか、現代でも、檜風呂には水を貯めておいた方がよいという間違った使い方を唱える方がいらっしゃいます。水を貯めて放置したら木が腐りやすくなります。従って、耐用年数を長くする為には、割れない程度にできる限り乾燥させておきたいのです。

現代の檜風呂は隙間が空かないことが常識になりました。現代の檜風呂は、木が引っ張られて引き裂かれる力(木の許容引張応力度)よりも強力な接着剤が引き裂かれる力(接着剤の許容引張応力度)の方が強い為、木が伸びる限界を超えると、ぱっくりと浴槽が割れてしまいます。この現象は、4方を囲まれている底板にみられる現象です。側面の板は上部が解放されている為、上下に収縮し割れにくいのです。現代の製造方法では割れにくいように収縮の少ない柾目材を使うことが必要だと考えます。

 水漏れしない品質の良い檜風呂とは?

 底板の乾燥強度を高めたものなのです。

底板の乾燥強度を高める工夫については、私が独自に考案した方法が有効です。

私が設計し製造した檜風呂には独自に考案した底板補強が施されています。